当院では血液専門医による貧血の精査・治療を行っております。お気軽にご相談ください。

 

今回は貧血についてお話したいと思います。

貧血とは、体内にある赤血球の数やヘモグロビン量が減ってしまう状態のことを指します。

貧血は症状が現れる前にもうすでに進行していることが多く、疲れやすさ、めまい、動悸、息切れ、手足の冷えなどで気がついたり、健診の採血で気づかれたりすることが多いです。

貧血には以下に挙げるような様々な原因が考えられます。

・鉄欠乏性貧血:体内に必要な鉄分が不足しているため、赤血球を作ることができず、貧血になる病気です。女性や子供に多くみられます。

・ビタミンB12・葉酸欠乏性貧血:ビタミンB12・葉酸が不足すると、体内で赤血球を作ることができなくなります。原因として、食事で摂取するビタミンB12・葉酸が不足している場合や、吸収が悪くなっている場合があります。

・腎性貧血:腎臓が正常に機能しなくなると、体内でエリスロポエチンというホルモンが不足するため、貧血になることがあります。

・溶血性貧血:体内の赤血球が破壊されるため、貧血になる病気です。自己免疫疾患や薬物、細菌やウイルス感染などが原因となります。

ここに挙げた以外にも様々な原因があり、隠れている別の疾患が見つかることもあります。

一般的に、貧血のイメージは鉄欠乏性貧血や出血による貧血だとおもいますが、このように様々な原因があるためなかなか改善しない場合は専門的な診察が必要になります。

当院では寒冷凝集素症やサラセミアといった貧血症状をおこす稀な疾患も見つかっております。

当クリニックでは、患者さんの症状や検査結果、ご希望に基づいて、適切な治療を行っていきます。

最近ではスポーツ貧血という身体を鍛えているスポーツ選手にも起こり得る貧血のかたもおみえです。

年齢にかかわらず発症する可能性がありますが、身体の成長に伴い鉄の需要が増える成長期のお子様に多くみられます。

また、月経の影響があるため女性がよりなりやすいといった特徴もあります。

スポーツ貧血の原因として、①鉄欠乏、②溶血が挙げられます。

①スポーツによって鉄欠乏性貧血となる原因は、大量の発汗・筋肉量が増加したことによる鉄需要の増加・鉄摂取不足などです。

特に、動きの激しいスポーツにおいて大量の発汗を伴い、1日に2~3L発汗する場合には、鉄も1~2mg損失されます。

また、減量に伴うカロリー制限などで食事に偏りが起こると鉄の摂取不足が起こります。

②溶血の原因は、足底部の持続的・機械的衝撃による赤血球破壊です。

マラソン・サッカーなど長時間走り続けるアスリートは、たくさん地面を蹴ることになります。

その際、足の裏は常に強い負荷がかかっています。

バスケットボールや剣道などもジャンプや踏み込みによって足の裏に強い衝撃が持続的に加わります。

この状態が続くと、足の裏を流れる血液に含まれている赤血球が破壊されてしまい、結果的に貧血として症状が現れてしまいます。

昔は行軍血色素尿症とも呼ばれ、軍隊で長時間歩行している兵士に多く認められたそうです。

また、特に子供は成長期にあり、貧血になりやすい傾向があります。

放置しておくと、体の機能が低下し、学校や日常生活に支障をきたすことがあります。

そのため、症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。

鉄欠乏性貧血を予防するためには、バランスの良い食事が大切です。

鉄分やビタミンCを多く含む食品を積極的に摂取することが望ましいです。

食品に含まれる鉄はヘムという構造を持ったヘム鉄と持たない非ヘム鉄とがあります。

ヘム鉄は比較的吸収されやすい鉄であり、非ヘム鉄は吸収されにくい鉄です。

ヘム鉄を多く含むレバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ赤身などをたくさん摂取することが望まれます。

また非ヘム鉄を摂取する場合にはビタミンCやタンパク質と一緒に摂取すると吸収が良くなります。

豆類や小松菜・ほうれん草を摂取する場合には、1回の食事でオレンジ、キウイフルーツ、お肉やさかななどと合わせて食べるようにしましょう。

最後に、貧血には早期発見・治療が大切です。

もし貧血の症状を感じたり、健診で貧血を指摘されたら、早急に受診してください。

適切な検査を受け、原因を突き止めましょう。

原因が特定されれば、その原因に合わせた治療が行われます。

貧血には、鉄剤やビタミン剤の投与、貧血の原因となる病気の治療などの治療法があります。

早期に治療を行えば、貧血の症状は改善され、健康な生活を送ることができます。

定期的な健康診断を受け、貧血の早期発見に努めましょう。

貧血精査には、是非、みずの内科クリニックにお越しください。